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書評:THINK BIGGER「最高の発想」を生む方法

書評

こんにちは!本日は書籍紹介シリーズとして,
HINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法 シーナー・アイエンガー著(櫻井祐子 訳)
について,解説していきます。
本記事では簡単な書籍紹介に加え,ざっと書籍内容をトレースすることに重きをおいています。
本記事で概要を掴み,実際に書籍を手にとって読むことで,より深い理解ができる設計になっております。

・この記事をオススメしたい人

・発想力が高くなりたい
・自分は天才ではないから,イノベーションを起こせないと思っている人
・イノベーションを起こす人の脳内が見たい人

それでは早速本編に入っていきましょう!

書籍紹介

著者のシーナ・アイエンガー氏は,ベストセラーにもなった「選択の科学」を執筆した,世界的心理学者です。内容としては,思考方法・課題解決メソッドの紹介となっており,タイトルにもなっている「THINK BIGGER」という考えに基づいて,過去の成功者たちの思考法や発想について,論理的に解説されています。

スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツなど,イノベーションを起こす人たちは世間では「天才」ともてはやされ,平凡な自分では到底考えつかないアイデアを具現化した人たちという認識を持たれてはいませんか?

著者のシーナ・アイエンガー氏の提唱する「THINK BIGGER」に基づいてこの発明について解析してみると,世界を変えるイノベーションであっても,既存のアイデアや技術の組み合わせであることが理解することができます。

THINK BIGGERとは?

まず初めに本書のタイトルにもなっているTHINK BIGGERについて解説していきます。

THINK BIGGERは以下の6ステップに沿って進めていきます。

  • 課題を定義する
  • 定義した課題を細分化して,いくつかの課題に分割する(本書では『サブ課題』と呼んでいます)
  • あなた,ターゲット,第三者それぞれの視点で課題を考える
  • 箱の中と外を探す
  • 選択マップを作成する
  • 第三の眼テストを実施する

それぞれに関してもっと詳細に見ていきましょう。
本書で掲載されている例は,実際に手にとって皆様に読んでいただきたいので,私が別の例をTHINK BIGGERの考えに沿って紹介したいと思います。

課題を定義する

今回はエジソンを例にとって解説してみます。

エジソンの功績といえば,白熱電球の開発と思われている方もいらっしゃると思いますが,白熱電球はエジソン以前にスワンという発明家がすでに開発しています。

スワンの開発した白熱電球は,点灯時間が短く,価格も高いことから一般家庭に普及しにくいものでした。
ここでビジネスの観点から課題を定義しようとすると,
「一般家庭にも白熱電球を普及させるには?」
となります。

課題を細分化する

「一般家庭に白熱電球を普及させるには?」
という課題があったとします。あなたならどこから着手しますか?

ほとんどの皆様が,課題が大きすぎてどこから取り組んでいったら良いかわからないとなると思います。
そこで課題を細分化し,さらにサブ課題を定義します。

  • 点灯時間の長いフィラメントを開発する
  • 原材料コストを最小化し,安価に提供できるようにする
  • 販売網を確保する

というように,課題が分割できると思います。

こうしてみると,やるべきことが具体的に見える化できるため,メイン課題の解決に取り組みやすくなります。
サブ課題は,それらを解決することによって,メイン課題を解決することができるか?といった視点で設定します。本書ではサブ課題はできるだけ多くリストアップし,その中から5~7個に絞り込むことが推奨されています。

あなた,ターゲット,第三者それぞれの視点で課題を考える

解決策の要素を探る前に,一旦俯瞰して考えてみましょう。

本書では,「あなた」,「ターゲット」,「第三者」の望みについて理解がないと,解決策が見つからないか,成功しないというように書かれています。

先程の例を用いてみると,

「あなた」⇛エジソン
「ターゲット」⇛一般家庭(消費者)
「第三者」⇛サプライヤー,量産メーカー(エジソンの時代にこの概念があったかは不明ですが…)

これら(今風の言葉でいうと)ステークホルダー全体の望みを叶える必要があります。

この課題を解決して,「あなた」は何を叶えたいのか。
この課題を解決することによって,「ターゲット」,「第三者」にどう感じてほしいか?

もちろんすべてのステークホルダーの望みを叶えることは不可能ですので,できるだけ全員の望みを最大化できるような解決法を選択することが大切です。

箱の中と外を探す

エジソンは最終的に開発した白熱電球のフィラメントに日本の竹を適用したことは,有名な話だと思います。

箱の中と外とは,自分の専門領域(箱の中),専門外の領域(箱の外)を指します。

あくまで具体例ですので,今回は専門性の話ではないのですが,エジソンも自分の箱の中(アメリカ)においてのみ,フィラメントの材料を探していた場合,おそらく一般家庭にも普及するような白熱電球を開発することができなかった(もしくはかなり開発が遅れていた)ことでしょう。
箱の外(日本の竹)に目を向けたことで,開発に成功したと考えられます。

このように,自分の領域だけで解決策を考えるのではなく,自分の領域外においても解決策を探すことが大切だと語られています。

私が記したエジソンの例よりも,かなり興味深い実例が本書では紹介されておりますので,ぜひ読んでみてください!

選択マップを作成する

概要を述べておくと,戦術の中から最適な組み合わせを選ぶことに当たります。

例えば先程のエジソンの例で定義したサブ課題に対して,選択マップを作成してみると以下のようになります。

サブ課題解決策
点灯時間の長いフィラメントを開発する世界各国の材料を探し回り,最適化する
原材料コストを最小化し,安価に提供できるようにする同じ性能を持ち,より安価な材料を探す
販売網を確保する海運会社や運送会社とコネクションを作る
*実際にエジソンがとった行動とは異なる場合があります。

これらの選択マップを用いて,先述した「あなた」,「ターゲット」,「第三者」の視点で,このアイデアが誰の感情をどのように動かすか?を考えてみましょう。

選択マップはその名の通り,アイデアを絞り出す・決定することにおいて,先程の三つの視点と絡めながら,最適な選択をするために便利なツールです。

第三の眼テストを実施する

ここまでの過程であなたが生み出した解決策やアイデアを,他人がどう受け止めるのかを理解するパートになります。

ここでは,自分のアイデアに対して他人がどう思うかを理解することが重要であり,アドバイスや批評を受けて改善するということが目的ではありません。

第三の眼テストの目的は,他人があなたのアイデアの中に何を見るかを理解することであり,その理解を持った上でアイデアの修正やブラッシュアップをしていくことにあります。

ですので,先述したように直接的な改良手法や改善提案を鵜呑みにするというわけではないので,注意してください。

まとめ

以上6ステップがTHINK BIGGERの基本的な考え方になります。
大雑把にざっくりとした解説でしたので,ぜひ本書を手にとって理解を深めていただければと思います。
最後に改めてTHINK BIGGERについてまとめます。

  • 課題を定義する
  • 定義した課題を細分化して,いくつかの課題に分割する(本書では『サブ課題』と呼んでいます)
  • あなた,ターゲット,第三者それぞれの視点で課題を考える
  • 箱の中と外を探す
  • 選択マップを作成する
  • 第三の眼テストを実施する

いかがでしたか?
内容の詳細が気になった方はぜひ本書を読んでみてください。

最後まで読んでいただき,ありがとうございました!

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